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星占い&幸せのヒント「ジーニーの助けてエンジェル」

2月7日のこと。何度かセッションを受けてくださっているクライアントの女性から宅配便が届く。包みを開けるとそれは僕が前々から手に入れたいと思っていた「不思議のメダイ」と呼ばれる奇跡をもたらす聖母マリアのメダル。こんな貴重なものをいただいてしまって良いものかと思ったほど。

それを握った瞬間に、強烈な思いが心のそこからわいてきた。

「今すぐに母の見舞いに行かなくては!」

執筆やセッション、高松でのワークショップの準備などに追われていて、なかなか時間が取れなかったはずなのだが、その日は全てを忘れて母の病院に向かうことにした。

母は僕が急に訪ねてきたのを見て驚いた様子で、「今お父さんが帰ったばかりだから、まだ下にいるかもしれないわ。すぐに追いかけなさい」と言う。1階の食堂でひとり食事をしている父の姿を見つけて声をかけると、父も大いに驚いていた。病院から呼び出しがあったので、緊急で駆けつけたのだそう。僕の電話番号を間違ってメモしてきたので、どうしても連絡がつかなかった所に僕が現れたのだから、さぞかし驚いたことだろう。僕の方も父と偶然会えて驚いた。

父を食堂に残して母の病室に戻ると、母は酸素マスクをつけてやっとのことで息をしている状態。なんと声をかけていいものか判らず、とりあえず高松で大きな仕事が控えているので、その間は見舞いに来られないということを話す。母に予定を書いておくように頼まれ、ベッドのそばにあった小さなカレンダーに11日から15日まで線を引き、「高松に出張」と書き込んだ。

父にも兄にも取りやめてくれと言われていた出張だったけれど、僕はたとえ何があってもこれだけはキャンセルできないと説明した。初めて行く高松で、すでに何十人もの方が楽しみに待っていてくださっているのだ。

母が突然に僕に父と兄のことで迷惑をかけて悪いわねと話し出した。実は父も兄もそれぞれに現在精神的なトラブルを抱えているので、自分が入院中だというのにそれが心配で仕方なかったのだった。色んな方の協力もあって、何とか僕が面倒を見ていることを伝えると、やっと安心したようだった。

それから母は僕が子供の頃の思い出話を始めた。僕が3歳の頃に行った新宿御苑の梅がきれいだったこと。幼稚園に上がった兄の送り迎えの道で僕と二人で歩道に落ちているエンジュの種を拾うのが楽しかったこと。インドネシアのプラウスリブの浜辺で夜光虫がきれいだったこと。みんなみんな父が知らない、母と僕の思い出だった。父は病室のカーテンの影に身を隠していたが、そっと部屋を出て行く気配を感じた。

「お父さんはマザコンだった」

という衝撃的な言葉を母の口から聞いた時に、僕の人生での最大の謎が解けたのを感じた。

父は実はマザコンだったのだ。マザコンだったのは兄だけでなかったのだ。僕が生まれる前から、父と兄という手のかかる子供が二人で母の愛情を取り合っていたのだ。

僕が母に愛されていないと感じていたのは、そこに原因があったに違いない。母の愛情を独り占めしようとして激しくぶつかり合う父と兄に押されて、僕の出る幕は全くといっていいほど無かった。母に愛されていないのではなく、母は父と兄の前で僕に愛情表現をすることが不可能だったのだ。そういうことだったのだ…。

「こんなマスクをつけているから、涙がふけないわ」

母のマスクを少しずらしてやると、母はティッシュで目じりをぬぐっていた。

翌日の夜、父から母がいよいよ危篤だという電話を受けて、タクシーを飛ばしたが、病院まで行く間に再度電話があり母が亡くなったことを知る。

薄化粧をしてもらった母の頬に触れると、まだかすかに温もりがあった。それまで気づかなかったけれど、母はとてもきれいな肌をしていた。

この母が僕を産んでくれたので、今僕はこうしてこの世に生きているのだ。僕の生まれた日に母は僕に命をプレゼントしてくれたのだ。それは母が亡くなった時に僕がようやく思い出した、母からの最大の誕生日プレゼントだった。

荷物の整理をしている時に、母のベッドにカレンダーがセロハン・テープで貼り付けてあったのを見つける。僕の出張の予定が書き込んであった。僕の字か母の字か見分けのつかない筆跡で「高松に出張」という文字が書かれていた。僕が書いたはずの文字が、何故こんなに母の文字に似ているのだろう。

「お母さん、ありがとう」

霊安室でつぶやいた。38年も生きてきて、僕がやっと見つけた言葉だ。あまりにしっくりくる言葉なので、母が亡くなってから思い出すたびに口にしている。

関連タグ : ヒーリング, 癒し,

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