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ジーニーの助けてエンジェル,星占い

ヘミシンクの『オープニング・ザ・ハート』のおかげで、思ってもみなかったことがたくさん起きています。







子供の頃の記憶をたどっていると、いつも必ず出てくるシーンがあります。思い出す限り、母が僕にうそをついた、初めての記憶です。

5歳くらいの頃、うちではアルフォンゾという名前の、ボクサー犬を飼っていました。なんとも大げさな名前ですが、ブリーダーさんがつけた名前であって、ヨーロッパの貴族かどなたかの名前を借りたようです。

アルフォンゾがうちにきてすぐの頃のお話です。母がブリーダーさんと一緒に、犬を獣医さんのところへ連れて行く支度をしていました。僕も一緒に行きたいというと、母は僕によそ行きの服に着替えてくるように言われました。

僕がひとりで急いで洋服を着替えて庭に出ると、ちょうど母が犬と一緒にブリーダーさんの車に乗って、僕を残して出かけてしまうところでした。

「だーめ!」

と、車から笑顔で僕に言ったブリーダーさんの表情を覚えています。

その後のことは、きっとあまりに辛い気持ちだったためか、記憶の引き出しに厳重に鍵がかかっていて、思い出せません。

先日手元に戻ってきた古い荷物の中に、子供の頃の自分とアルフォンゾの写真がありました。それを見ているうちに、ふと気づいたことが。

母は、アルフォンゾを「断耳」に連れて行ったのです。

ボクサー犬の耳は、本来大きくて垂れているものなのですが、これを外科的手術によって三角形に切って立たせてるのが「断耳(だんじ)」です。

日本ではわかりませんが、確か現在英国などでは禁止されている行為だと思いました。ボクサー犬など、ある種の犬については、当時に普通に行われていた行為のようです。

その頃は、何も事情がわからなかったもので、何故母親が僕にうそをつかなくてはならなかったのか、理解のしようもありませんでした。子供の僕が、獣医さんの所について行って、犬が耳を切られるのを目の前で見ていたなら、きっと恐ろしい体験になっていたことでしょう。

犬を飼い始めてすぐの頃に、両親が何か犬のことで言い合って、母親が泣いていた記憶があります。今になって思えば、アルフォンゾのことで父と意見が合わなかった時だったのでしょう。

「もっと小さな、可愛い犬が欲しかったわ」

と母がつぶやいていたのを思い出しました。

その頃、うちは父の仕事でインドネシアのジャカルタに一家で移り住んだばかりでした。その当時のジャカルタは、治安が良いとは言えなかったので、両親は番犬としてボクサー犬を飼うことにしたのです。アルフォンゾは、両親にとってはペットではなかったのです。

不可解な大人の言動に、いつも悩まされていた子供だった僕ですが、こんな具合にふと謎が解けて、心が軽くなるような体験を何度もしてきました。

すべての謎がとけることはないかもしれないけれど、必要なことは時期がくれば必ずわかるような仕組みになっているんじゃないかと思います。

もう少し大きくなったアルフォンゾが、テーブルの上に置いてあった洋酒の入ったケーキをたいらげてしまい、酔っぱらったことまで懐かしく思い出しました。

すべての方に、絶え間なく愛と光が届きますように。

ジーニー
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